ギターアンプには、音を増幅させる回路の違いで大きく真空管、ソリッドステートという2種類があります。
真空管とソリッドステートの両方を合わせ持つハイブリッドなギターアンプもあり、自分の好みに合わせて幅広く選ぶことができます。
音を増幅させる回路は、プリアンプとパワーアンプのどちらにも搭載され、真空管、ソリッドステートの違いは出音にはっきりと表れます。
今回は、エレキギターには欠かすことのできないギターアンプの真空管とソリッドステートの違いをご紹介します!
真空管
出典:GROOVE TUBES
プリアンプとパワーアンプのどちらにも真空管を使用しているアンプをチューブアンプと呼びます。
フル・バルブアンプ
チューブアンプは、フル・バルブアンプとも呼ばれます。
アンプメーカーを代表するMarshallはチューブアンプのことをフル・バルブアンプと呼んでいます。
出音の特徴
チューブアンプの出音の特徴は
- ウォーム(暖かく柔らかい)なサウンド
- コシ、粘りがある
- 音圧がある
などがあります。
真空管は、真空管に強い電圧をかけ、飽和している状態にすることで、自然な歪み(オーバードライブサウンド)を発生させることができます。
この自然な歪みは、真空管によって(6L6系/EL34系など)飽和時の特性が異なるため、出音が変わります。
ソリッドステートアンプとは違い、スタンバイをONにしてから真空管がしっかりと暖まるまで3分程待つ必要があり、真空管をしっかり暖めないと本来のサウンドを楽しむことができないので、暖める時間はしっかりとりましょう。
メンテナンス
真空管には寿命があるため、定期的に真空管の交換とメンテナンスが必要になります。
この寿命の長さは、使用頻度や使用していない時の保存状態などによって差があるため一概に言うことはできません。
真空管の寿命が近づいてきたことをヘタるといいます。
真空管がヘタってくると「音量がでない」、「歪みにくくなる」など出音に変化があります。
「なんか出音が変わったかな」と感じたら真空管の交換時期かもしれないので、メンテナンスに出すことをオススメします。
パワー管の交換
パワーアンプにあるパワー管は、交換時にバイアス調整という専門的な調整が必要になります。
高度な専門知識が必要になりますので、メンテナンスに出すことをオススメします。
チューブアンプのオススメ
MESA/Boogie / Triple Rectifier
プリ管に12AX7 、5U4GB、パワー管に6L6が使用されています。
Hughes & Kettner / TubeMeister 36 Head
プリ管に12AX7、パワー感にEL84が使用されています。
ソリッドステート
出典:TOSHIBA
音を増幅させる回路に真空管ではなく、トランジスタという電子部品を使用しています。
トランジスタを使用しているアンプは、ソリッドステートアンプと呼ばれ、トランジスタが故障しない限り半永久的に使い続けることができます。
チューブアンプと比べると、真空管を暖める時間か不要のため、電源ONにするとすぐに使用することができます。
出音の特徴
ソリッドステートの出音の特徴は
- ソリッド(冷たく硬い)なサウンド
- 個体差による音質の差が少ない
- クリーンサウンドが綺麗
- ノイズが少ない
- エフェクターのノリ(かかり具合)がいい
などがあります。
チューブアンプは真空管を使用するため、オーバードライブサウンドを得ることができますが、トランジスタを使用しているソリッドステートアンプは、一定のポイントを超えると急激に歪みます。
この急激な歪みは極端に言えば音が割れてしまうという印象ですが、急激な歪みになるまでの出音は濁りがなく、非常に綺麗でクリーンなサウンドです。
そのため、クリーンサウンドはチューブアンプでは表現できないような非常に綺麗なサウンドを作ることができます。
ソリッドステートアンプのオススメ
Roland / JC-120(Jazz Chorus)
BOSS / KATANA MINI
ハイブリッド
ハイブリッドには、
- プリアンプに真空管を使用したアンプ
- パワーアンプで真空管を使用したアンプ
の2種類があります。
プリアンプに真空管
プリアンプに真空管(プリ管)を使用し、パワーアンプにはトランジスタを使用されています。
出音の特徴
パワーアンプがトランジスタのため、ソリッドステートアンプ寄りの出音になりますが、プリアンプに真空管が使用されているため、ソリッドステートアンプよりは、ウォームな出音になります。
パワーアンプに真空管
プリアンプにトランジスタを使用し、パワーアンプに真空管(パワー管)を使用されています。
出音の特徴
パワーアンプに真空管が使用されているため、チューブアンプ寄りの出音になりますが、プリアンプにトランジスタが使用されているため、チューブアンプよりはソリッドな出音になります。
ハイブリッドアンプのオススメ
Laney Amplification / LV300H
プリ管にECC83を使用し、パワーアンプにトランジスタが使用されています。
Vox Amps / AC30VR
プリアンプにトランジスタを使用し、パワー管に12AX7を使用しています。
12AX7は通常プリ管として使用されますが、パワー管として動作させるというのはVOX独自のテクノロジーで実現されています。
まとめ
自分の理想のサウンドに近いギターアンプの回路は見つかりましたでしょうか!
スタジオにはチューブアンプ、ソリッドステートアンプは必ず常設してありますし、レンタルも1時間単位でできますので、これを機にいろいろ試してみましょう!
真空管とソリッドステートの特徴を把握することで、ヴォリュームの使い方や曲調に合わせたアンプ自体の選択など、楽曲に合うアンプを選択することができます。
真空管とソリッドステートの本来の持つ個性を楽しみつつ、自分なりのサウンドの求めていきましょう!
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