アドリブやフレーズ作りに欠かせないモードスケール。
数も多く覚えるのはとても大変です。
なので出来るだけ効率よく覚えたいものですよね。
今回は、モードスケールの効果的な練習方法を紹介いたします。
覚え方の基本
ダメな覚え方
モードを覚える時に
「1番目から始めるとイオニアン、2番目から始めるとドリアン、3番目から始めるとフリジアン、・・・」
という様に覚えた人も多いのではないでしょうか?
こういう覚え方をしている方々!
この覚え方ではモードを使えるようにはなりません!
最初にモードを理解する為だったら良いのですが、これではいつまでたってもモードを自在に使えるようにはなりません。
モードはちゃんと一つ一つ構成音をしっかり覚え、ルートを固定した上で練習しましょう。
効率の良い覚え方
まずはモードの名前を覚えましょう。
普通に覚えてもいいですが、暗記が苦手という人は語呂合わせで覚えちゃいましょう。
図1 モードスケール語呂合わせの覚え方
名前を覚えたら、次にこれらをメジャー系とマイナー系で分けて考えます。
さて、メジャー系とマイナー系の違いは何でしょうか?
もちろん三度ですね。
三度が長三度だったらメジャー系、短三度だったらマイナー系になります。
これはスケールだけではなくコードでも同じです。
二つに分けたらそれぞれ別々に覚えていきましょう。
メジャー系は、メジャースケールと同じイオニアンとどこが違うのかを理解しながら覚えていきます。
例えばミクソリディアンだったらメジャースケールから七度が半音下がり短七度になっている、といった具合です。
図2 メジャー系のモードスケール
同様に、マイナー系は、ナチュラルマイナースケールと同じエオリアンとどこが違うのかを覚えていきましょう。
図3 マイナー系のモードスケール
特性音
各モードにはそれぞれ特徴的な音があります。
例えばリディアンだったら#4という他には無い音が含まれており、この音がリディアンの雰囲気を作り出しています。
このようにモードの特徴を表す音のことを特性音といいます。
特性音を効果的に使っていくことによって、そのモードが持つ雰囲気を演出することが出来ます。
なので練習する時も何も考えずスケールを追うのではなく、特性音を意識的に鳴らすようにしましょう。
練習方法
それでは実際に弾いて練習をしていきます。
まずは練習する時のルートを決めます。
最初は基本であるCがいいでしょう。
そして全モードを、決めたルートで練習していきます。
先程の「2番目からだとドリアン」の様な覚え方は通用しません。
しっかりと構成音を覚えていないと弾けませんね。
モード解説
それでは実際にそれぞれのモードを見ていきましょう。
モードごとに指板図とバッキングトラックを用意しました。
最初は指板図を見ながら練習し、慣れてきたら見ずに弾けるようにしましょう。
キーは全てCで統一しています。
メジャー系
メジャー系のモードはイオニアン、リディアン、ミクソリディアンの3つです。
イオニアン
図4 イオニアン
構成音 | R M2 M3 P4 P5 M6 M7 |
特性音 | P4 |
メジャー系の基本となるスケールです。
構成音はメジャースケールと同様なので覚えやすいですね。
特性音はP4ですが、イオニアンの場合はそこまで強調して弾く必要はありません。
リディアン
図5 リディアン
構成音 | R M2 M3 #4 P5 M6 M7 |
特性音 | #4 |
イオニアンとの違いは、P4が半音上がって#4になっているところです。
特性音は#4で、#4を効果的に使うことにより独特の浮遊感のあるモードを演出できます。
ミクソリディアン
図6 ミクソリディアン
構成音 | R M2 M3 P4 P5 M6 m7 |
特性音 | m7 |
イオニアンとの違いは、7度が半音下がってm7になっているところです。
特性音はm7。
ドミナントスケールなのでM3とm7を効果的に使ってあげるとモード感が感じられるでしょう。
どこか民族的な雰囲気があるスケールです。
ドミナントがわからない方は下記記事も参考にしてください。
マイナー系モード
次はマイナー系です。
マイナー系はナチュラルマイナーと同じエオリアンを基準に覚えていきましょう。
エオリアン
図7 エオリアン
構成音 | R M2 m3 P4 P5 m6 m7 |
特性音 | m6 |
構成音はナチュラルマイナーと同じです。
特性音はm6ですが、6度はあまり伸ばすのに適した響きでは無いので、積極的に使用するのはあまりお勧めできません。
ドリアン
図8 ドリアン
構成音 | R M2 m3 P4 P5 M6 m7 |
特性音 | M6 |
エオリアンとの違いは、6度が半音上がりM6になっているところです。
先ほど同様6度自体があまり伸ばすのに適していないので、あまり伸ばさずフレーズの中に効果的にM6を組み込んでいきましょう。
フリジアン
図9 フリジアン
構成音 | R m2 m3 P4 P5 m6 m7 |
特性音 | m2 |
エオリアンとの違いは、2度が半音下がりm2になっているところです。
m2がルートと半音でぶつかっている為、居心地の悪いサウンドになっています。
それをうまく弾いてあげるとフリジアンの怪しげな雰囲気がうまく作れます。
ロクリアン
図10 ロクリアン
構成音 | R m2 m3 P4 b5 m6 m7 |
特性音 | m2 b5 |
エオリアンとの違いは、2度が半音下がりm2に、5度が半音下がりb5になっているところです。
しかしこのロクリアン、今回は練習しなくても大丈夫です。
というのもロクリアンを狙ってわざわざ弾く機会が、他のモードと比べて圧倒的に少ないのです。
なのでロクリアンは音の並びだけ覚えておけば良いでしょう。
ということでバッキングトラックは無しです。
まとめ
モード自体は理解しているけど練習方法がわからない、という人は多いと思います。
最初は指板図を見ながらでもいいですが、慣れてきたら指板図を見ずに練習しましょう。
更に慣れたらルートを変えてC以外でも練習できるようにしましょう。
指板図、バッキングトラックを活用して、自在に弾きこなせるように練習してください!
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