ついに発売されました、「Neural DSP Archetype: Petrucci」。
Dream Theaterのギタリストである「ジョンペトルーシ」のサウンドを再現したというソフトウェアプラグインです。
今回は使い方からサウンドレビューまで解説していきます。
販売サイト、価格
購入は公式サイトから行えます。
Neural DSP Archetype: Petrucci公式サイト
€149なので、日本円にしておよそ20,000円ほどです。
14日間の無料トライアルもあるので、まずはそちらから試してみるも良いですね。
トライアル、購入使用ともにiLokの登録が必要になります。
iLokの登録がまだお済みでない方は下記サイトより登録しましょう。
iLokとは
購入したプラグインやソフトウェアを管理、認証するための方式です。
購入情報をiLokのアカウントにより管理され、購入情報を保護してくれます。
iLokはUSBメモリで管理するのが従来の方法ですが、今はソフトウェアで管理ができ「Archetype: Petrucci」を使用するのにUSBを購入する必要はありません。
※その代わりにiLok License Managerというソフトをダウンロードする必要があります。
使い方
それでは画面の説明をしていきましょう。
画面を開くとこのような画面が出てきます。
図1 基本画面
まずは赤枠で囲った部分を左から説明していきましょう。
INPUT:インプットゲインです。ここで入力音量を調整します。
GATE:ノイズゲートの量です。上げすぎると結構不自然な効き方をしますので、ほとんど上げる必要はありません。
TRANSPOSE:ピッチ変更ができます。一つ動かすごとに半音下がります。Dream Theaterはダウンチューニングが多いですが、この機能があればチューニングを変えることなく対応できますね。
INPUT MODE:入力の切り替えです。JPやMajestyはステレオ出力に対応している為の機能でしょう。特別な入力をしていなければモノラルで大丈夫です。
DOUBLER:自動でダブラーをかけ左右にギターを振ってくれる機能です。基本的にはONになっています。音源で聴いた方が分かりやすいと思うので、後半で出てくる音源で確認してください。
OUTPUT:アウトプットゲインです。ここで出力音量を調節します。
これらのパラメータは常に表示されています。
また左下の部分からチューナーとメトロノームが開けます。
メトロノームは詳細に設定できるのでメトロノームとしてもかなり使えますね。
図2 メトロノーム
それでは次の一番上の赤枠の部分を説明していきましょう。
図3 上部メニュー
一番左は下記画面が出てきます。
図4 ワウ、コンプレッサー
ここではワウとコンプレッサーの設定ができます。
ONになるとコンパクトエフェクター同様LEDが光ります。
次はコンパクトエフェクター類です。
図5 オーバードライブ、フェイザー、コーラス、フランジャー
ここではオーバードライブ、フェイザー、コーラス、フランジャーの設定ができます。
ペトルーシといえばフェイザー、コーラスなどの空間系の設定が特徴的ですが、かなり本人と近い設定ができます。
その右はアンプブロックです。
図6 アンプヘッド
アンプは「ピエゾ」「クリーン」「リズム」「リード」の4種類があります。
種類によってアンプの見た目もかなり変わるのも面白いです。
図7 クリーンアンプの見た目
次はキャビネットブロックです。
図8 キャビネットブロック
キャビブロックはかなり細かく設定できますね。
・マイクの種類、位置、距離、パン
・部屋の大きさ
をマイク2本分設定できます。
マイクを変えるだけでもかなりサウンドは変わるので色々試してみましょう。
次はEQブロックです。
図9 EQブロック
アンプブロックと別でEQの調整ができます。
ペトルーシのシグネイチャーアンプである「Mesa/Boogie JP-2C」にも、グライコが付いているのでそれを意識して別でEQが付いているのかもしれませんね。
アンプブロックで出来ない細かい微調整に使用しましょう。
最後は空間系ブロックです。
図10 コーラス、ディレイ、リバーブ
ステレオでかかるコーラス、ディレイ、リバーブのブロックです。
アンプブロックの後段でかけるのでセンド/リターンでかけるイメージですね。
ここのエフェクトはかなりペトルーシライクなサウンドになっています。
プリセット
プリセットは大きく分けて3つあります。
・Artists
・Factory
・John Petrucci
それぞれを見ていきましょう。
Artists
この項目では「Archetype: Petrucci」を有名ギタリストが使用して作成したプリセットを公開しています。
図11 Artists
プロが作成したプリセットが使えるのでかなり音作りの参考になりますね。
Kiko Loureiroのようなベテランから、PliniやMateus Asatoのような新進気鋭のギタリストまで参加しています。
Factory
ここはいわゆるファクトリープリセットです。
図12 Factory
クリーントーンからリードトーンまで様々なサウンドが用意されています。
John Petrucci
本ソフトウェアの目玉部分ですね。
プリセットネームは基本的に実際の楽曲の名前になっています。
図13 John Petrucci
今回はこの「John Petrucci」に収録されているサウンドをいくつか見ていきましょう。
サウンドレビュー
プリセットの中からいくつか抜粋して紹介していきます。
サウンドを実際に聴いていく前に、ここで先に申し上げましょう。
正直言いますと、この「Neural DSP Archetype: Petrucci」ですが、
クリーントーンはかなり良く出来てますが、歪みサウンドは微妙です。
ペトルーシのクリーンサウンドの特徴でもある空間系の再現度の高さも相まってクリーントーンはかなり完成度の高いサウンドになっています。
しかし歪みサウンドはどうも再現度が低いように感じます。
アンプシミュレータの黎明期からMesa/Boogieのアンプの再現度低い印象があるのでやはりこのメーカーの再現は難しいのでしょうか。
ただ使えないというレベルではないのでご安心ください。
では実際に聴いていきましょう。
クリーントーン
まずはクリーントーンから見ていきます。
・Beneath the Surface
「A Dramatic Turn of Events」に収録されている楽曲です。
まずは前述したDOUBLER機能のON/OFFの比較を、このプリセットを例に聞いていただきましょう。
まずはONです。
左右に広がっているのがわかるでしょうか。
次にOFFです。
これはモノラルになっていますね。
このように自動的にダブリングをしてくれる非常に便利な機能です。
デフォルトでは全てのプリセットONになっていますので、この後のプリセットは全てONになります。
ダブリングとは
実際にギターのレコーディングというのは、左右に1本ずつ録音しています。
同じフレーズでも左右に1本ずつ録ってステレオでレコーディングしているんですね。
それを1本しか録らずに自動で左右に振ってダブリングしてくれるのがこの機能です。
1本での演奏で音源のギターを再現してくれます。
原曲はアコギなので「原曲にかなり近い!」とまではいきませんが綺麗なクリーントーンですね。
十分ライブで使える音色になっています。
・Peruvian Skies
「Falling into Infinity」に収録されている楽曲です。
Phaserが特徴的なサウンドで弾いていて気持ちいいサウンドですね。
この設定は自分で作るのはなかなか難しいのでお手軽に作れるのは有り難いです。
・Pull Me Under
「Images and Words」に収録されている楽曲です。
原曲がエレキなのもありかなり再現されています。
・The Count of Tuscany
「Black Clouds & Silver Linings」に収録されている楽曲です。
個人的には今回のペトルーシのプリセットの中では1番の好みです!
絶妙な空間系の設定になっています。
ドライブサウンド
では次にドライブサウンドを見ていきましょう。
・As I Am
「Systematic Chaos」に収録されている楽曲です。
先ほど「クリーントーンに比べてドライブサウンドは微妙」と言いましたが感じていただけましたでしょうか…?
似てるサウンドにはなっていますが、どうしてもクリーンサウンドに比べるとクオリティは下がっています。
ドライブサウンドのDOUBLER機能OFFも聴いていただきましょう。
・Glasgow Kiss
ペトルーシのソロアルバムである「Suspended Animation」に収録されている楽曲です。
「Neural DSP Archetype: Petrucci」にはDream Theaterだけでなく、ペトルーシのソロアルバム、Liquid Tension Experimentの楽曲のプリセットも収録されています。
・The Alien
「A View from the Top of the World」に収録されている楽曲です。
本商品が発売される直前にリリースされたアルバムからの収録ですね。
まとめ
ペトルーシファン待望の「Neural DSP Archetype: Petrucci」。
かなり高い再現度です。
約2万円でこのプリセットとサウンドが手に入るのは嬉しいです。
またペトルーシ以外のギタリストのプリセットも見ることができますので、音作りの参考にもなりますね。
トライアルもありますのでぜひ使ってみてください!
お悩み相談コーナーと題し、いただいたギターに関するご質問に回答するコーナーがあります。
小さな悩み、大きな悩みなどに関わらず、気楽にご質問ください。
あたなのご質問で誰かの悩みも解消されるかもしれません!
ご質問お待ちしてます!