ギタリストにとって、ギターアンプは大事なパートナーですよね。
ギターアンプなしにはエレキギターの本領は発揮できません。
ギターアンプがあるからこそ、あの音圧、あの臨場感を体感してもらえますし、ギタリストの感情をより多くの人へ伝えることができます。
今回は、エレキギターに欠かすことのできないギターアンプの種類をご紹介します!
モデリングアンプ
モデリングアンプはアンプシミュレーターとも言われます。
近年では、ソフトウェアのモデリングアンプもありますが、今回は実機のモデリングアンプをご紹介します。
Line6
出典:Line6
モデリングアンプと言えば、やはりLine6のPODシリーズです。
PODなくして今の発展はなかったのではないかと言えるほどに人気があり、何よりも画期的でした!
モデリングアンプを牽引してきたLine6がPODに次ぐ新製品としてHelixを販売しています。(※2019年時点)
Helixは、モデリングのクオリティの高さはもちろんのこと、直感的で分かりやすいインターフェースや1つのプリセット内で異なる設定を保存し、シームレスに切替ができるスナップショット機能などの独自機能があります。
使用環境
- 自宅
- スタジオ
- レコーディング
- ライブ
特徴
モデリングアンプは、様々なアンプメーカーの音を再現しているため、1台あればメーカーが違うアンプの音を作ることができます。
モデリングされているギターアンプの種類は、ブリティッシュ系、アメリカン系、ドイツ系など、クリーンが特徴のアンプからモダンなハイゲインアンプまでと、とても幅広くなっています。
さらに、チューブアンプでは実現することができないパワー管の即時切り替えや、Windows/Mac、iOSを使用した設定値の変更など、デジタルなモデリングアンプならではの機能も多くあります。
Positive Gridから販売されているBias Head/Rack/Miniは、Windows/Mac、iOSから設定値の変更ができ、iOSに関してはBluetoothを使用した連携ができます。
DSP
モデリングアンプには、DSPというデジタル回路が使用され、アンプヘッド、キャビネット、マイクなどの各モデリングに対する組み合わせをシミュレートしています。
DSPの容量が増えると、同時にエフェクト処理できる容量が増え、エフェクターを重ねられる個数(エフェクト数)などを増やせるなど、DSPの性能がよくなるにつれ処理できる幅が広がります。
FRACTAL AUDIO SYSTEMSから販売されているAXE-FXⅢにはTexas Instruments製のKeyStoneというDSPが搭載されています。
モデリングアンプのおすすめ
FRACTAL AUDIO SYSTEMS / AXE-FXⅢ
Kemper Amps / KEMPER Profiler PowerRack
YAMAHA / THR100H Dual
ラックアンプ
使用環境
- スタジオ
- レコーディング
- ライブ
特徴
プリアンプとパワーアンプが別々になっているアンプで、プリアンプ+パワーアンプで1つのアンプヘッドとして組み上げられます。
そのため、プリアンプはMesa/Boogie、パワーアンプはMatrix、などのように自分好みな組み合わせてで1つのアンプヘッドとして組み上げることができます。
モデリングアンプでもパワーアンプを別で選ぶ事ができますが、モデリングアンプ自体はあくまでソリッドステートのため、真空管を搭載することはできません。
ギターアンプの真空管とソリッドステートの違いの紹介記事を別に書いていますのでそちらもご参考ください。
ラックアンプは、プリアンプ、パワーアンプに関わらず、真空管のものとソリッドステートのものを選ぶことができるので、自分の選んだ機種によりチューブアンプにも、ソリッドステートアンプにも、ハイブリッドアンプにもすることができる拡張性があります。
パワー管の交換
パワーアンプを真空管のものにした場合は、チューブアンプと同様に真空管の交換時にはバイアス調整という専門的な調整が必要になります。
高度な専門知識が必要になりますので、メンテナンスに出すことをおすすめします。
ラックアンプのおすすめ
Mesa/BoogieのTriaxis Programmable Pre-Ampや、MarshallのJMP-1など、名機と呼ばれるプリアンプも多くありますが、現在は残念ながら生産が完了しています。(※2019年時点)
プリアンプ
Synergy Amps / DIEZEL VH4
Synergy Ampsのモジュールは、SYN2 Dual-module Tube Preampなどを使用することで単独でプリアンプとして使用したり、所有しているアンプヘッドにモジュールのサウンドを追加したりする事ができます。
SYN2 Dual-module Tube Preampは、SYNERGY製のモジュールを2基収める事の出来る1Uサイズの専用機材です。
Synergy Amps / FRIEDMAN BE
Engl Amps / Special Edition Preamp E570
パワーアンプ
Synergy Amps / SYN5050
Matrix Amplification / GT800FX
Koch Amps / ATR-4502
スタックアンプ
使用環境
- スタジオ
- レコーディング
- ライブ
特徴
アンプヘッド(プリアンプ+パワーアンプ)とキャビネットが別々になっています。
そのため、アンプヘッドはMarshall、キャビネットはBogner、などのように自分好みな組み合わせてで1つのスタックアンプとして組み上げることができますが、アンプヘッドはプリアンプ+パワーアンプで1つとして組み上げられているため、プリアンプとパワーアンプを別々に組み上げることはできません。
ただ、プリ管、パワー管に関わらず真空管の変更はできますので、ヘッドの特徴を活かしつつ、自分好みな組み合わせにする事ができます!
代表的なアンプの系統
アンプの系統は大きくブリティッシュ系、アメリカン系、ドイツ系などがあります。
メーカーこどに特徴がありますので、国別というよりは、やはりメーカー別に弾いてみることがおすすめです!
Bogner Amplificationは、アメリカのロスアンジェルス発のメーカーですが、Marshallのモディファイから始まったメーカーということもあり、系統はブリティッシュ系に分類しています。
では、代表的なアンプの系統を見てみましょう!
表1 ギターアンプの代表的な系統
ブリティッシュ系 |
Blackstar Amplification Bogner Amplification Laney Marshall Amps Orange Amps Vox |
---|---|
アメリカン系 |
Fender Mesa/Boogie Peavey Matchless Amplifiers Soldano Custom Amplification |
ドイツ系 |
Engl Amplifiers Diezel Hughes&Kettner |
スタックアンプのキャビネット
アンプヘッドを変更するともちろん出音が変わりますが、キャビネットを変更するだけでも出音がガラッと変わります!
キャビネットは、低音の広がりなどの音の締りや音の輪郭の解像度など、出音を作る上での影響があるため、サウンドメイクにとってとても重要です。
Mesa/BoogieのRecto Traditional Sizeというキャビネットには、StraightとSlant Armorという2種類があります。
大きな違いは、Straightは鉄板なし、Slant Armorは鉄板ありなのですが、この鉄板は、キャビネットの左右にあり、キャビネットを挟む形で取り付けられています。
この鉄板が入るだけで音の輪郭がハッキリし、硬い音になります。
おもしろいですよね。笑
ヘッドを購入したけど、自分の好みにピッタリと合わなくなってきた・・・
という方は、キャビネットも色々と変更してみることをおすすめします!
スタックアンプのおすすめ
アンプヘッド
Marshall Amps / JVM410H
Mesa/Boogie / Triple Rectifier
Peavey / 6505 PLUS
キャビネット
Marshall Amps / 1960BV
Peavey / 6505 STRAIGHT
Orange Amps / PPC212
コンボアンプ
出典:Peavey
使用環境
- 自宅
- スタジオ
- レコーディング
- ライブ
特徴
スタックアンプでは、アンプヘッドとキャビネットが別々になっていましたが、コンボアンプはアンプヘッドとキャビネットが1つになっています。
多くは自宅用の印象が強いですが、ワット数によってはライブ、レコーディングで問題なく使用することができます。
そのため、100Wのスタックアンプと100Wのコンボアンプのどちらを選ぶかというのは、出音の好みや、楽曲の特徴に合わせてた選定するため、こちらの方が良いと言うことはできません。
アンプヘッドとキャビネットのどちらかが壊れた場合、スタックアンプのようにアンプヘッドだけ修理、またはキャビネットだけ修理などのように別々でメンテナンスを行うことはできませんので、注意が必要です。
コンボアンプのキャビネット
出典:Peavey
アンプヘッドとキャビネットで1つになっているため、キャビネットだけをまるっと変えることはできません。
ただ、スピーカーユニットは変えることができますので、キャビネットの特徴を活かしつつ、自分好みなスピーカーユニットにする事ができます。
コンボアンプのチューブアンプ
コンボアンプの多くは、自宅用のソリッドステートアンプとして販売されていますが、チューブアンプもあり、ワット数が低いものもあるので、自宅でもチューブアンプを弾くこともできます!
コンボアンプのおすすめ
Fender / ’65 TWIN REVERB
Peavey / 6505+ 112
Roland / JC-120(Jazz Chorus)
小型アンプ
出典:BOSS
使用環境
- 自宅
特徴
小型アンプは、主に自宅用として使用する事を想定して作られています。
そのため、ソリッドステートのアンプが多く、故障があまりないことや、あまりメンテナンスの必要がないことが特徴です。
ワット数は1W〜15Wあれば十分です。
住宅事情にもよるのですが、自宅という環境では「防音になっていない」「近隣にも住宅がある」ということを考えると、意外にも15WのヴォリュームをMAXで使うことはありません。
近年の小型アンプの中には、0.5W/1W/5W/30Wなど、ワット数を切替できる機能を搭載したアンプがあります。
この機能を使うことで、30Wで鳴らした時のようなサウンドを0.5Wや1Wなどの小音量で鳴らすことができます。
1Wだから音が・・・
とは言いにくくなっています!
画期的ですよね。笑
小型アンプにもチューブアンプはあります。
小型チューブアンプでも各メーカーの特徴はしっかり出音に反映されてますので、小型アンプの購入を検討している方は、小型チューブアンプを検討してみてはいかがでしょうか!
アッテネーター/ロードボックス
出典:Koch
チューブアンプでもワット数を切り替えることができるのものもありますが、アッテネーターやロードボックスという機器を使って音量を小さくするという仕組みが使われることが多いです。
チューブアンプは、負荷をかけることで、あの真空管独特のサウンドになります。
アッテネーターまたはロードボックスは、負荷をかけつつ、小さな出力に変換してくれるという仕組みの機器のため、音量は小さけど、しっかりと大きな音で鳴らしたときのチューブアンプの音を鳴らせることができます。
小型アンプのチューブアンプ
小型アンプの多くは、自宅用のソリッドステートアンプとして販売されていますが、チューブアンプもあり、ワット数が低いものもあるので、自宅でチューブアンプを弾くこともできます。
小型ではありますが、しっかりチューブアンプですので、メンテナンスは必要になります。
小型アンプのおすすめ
Marshall Amps / MG15
BOSS / KATANA MINI
Fender / Champion 20
まとめ
どれが好きが決まっていない方は、まずは好きそうな系統から選んでみると、自分は◯系のアンプが好きなんだなって発見があると思います!
既に好きなギターアンプがある方は、普段鳴らさないメーカーに挑戦してみるのはどうでしょうか!
新しい発見があるかもしれません。
自分にはこのギターアンプしかない!と決めている方は、真空管や電源ケーブルを変えてみるのはどうでしょうか!
電源ケーブルを変えたときの出音の変化は今でも鮮明に覚えています。笑
ギターアンプは出音を聴くことが大事です!
どんどん試して、あなたらしさを表現できるギターアンプは見つけましょう!
お悩み相談コーナーと題し、いただいたギターに関するご質問に回答するコーナーがあります。
小さな悩み、大きな悩みなどに関わらず、気楽にご質問ください。
あたなのご質問で誰かの悩みも解消されるかもしれません!
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