「真空管」というとどのようなことを思い浮かべますでしょうか。
- ウォーム(暖かく柔らかい)なサウンド
- コシ、粘りがある
- 音圧がある
- 自然な歪み(オーバードライブサウンド)が得られる
- 真空管を温めるまでに時間が必要
- メンテナンスが必要
など、様々なことが思いつくと思います。
真空管を使うことでしか表現できない音ってありますよね!
新しい真空管「Nutube」とは、どのようなものでしょうか。
今回は、蛍光表示管技術を応用した真空管Nutubeを紹介します!
Nutubeとは
出典:株式会社コルグ
株式会社コルグとノリタケ伊勢電子株式会社が共同で開発した、蛍光表示管技術を応用した真空管です。
蛍光表示管技術とは
蛍光表示管技術は、FLディスプレイ、FVDとも呼ばれています。
3極真空管で低速電子線により蛍光体を発光させる技術で、1970年頃に発明された日本が世界に誇るテクノロジーです。
以前はレジ(POSレジ)、自動車のメーター、デジタルサイネージ(電子看板)などに使用されていましたが、近年では、液晶ディスプレイに代替されています
従来の真空管と同じ構造を持ち、完全な3極真空管として動作することができます。
3極とは、アノード、グリッド、フィラメントの3つの電極を指します。
この構造は従来の真空管と全く同じ機能を持っています。
ここで従来の真空管とNutubeの構造を比較してみましょう。
表1 従来の真空管とNutubeの構造の比較
従来の真空管の構造 | Nutubeの構造 |
---|---|
プレート | アノード |
グリッド | グリッド |
カソード | フィラメント |
ヒーター |
Nutubeの構造のフィラメントは、従来の真空管の構造のヒーターとカソードが一緒になったもの
名称の違いや、機能が合わさったりはしていますが、構造としてはまったく同じですよね。
より詳細な構造や電気回路が気になった方は、Nutube公式の「真空管とは」がおすすめです。
特長
そんな紛れもない真空管であるNutubeには、従来の真空管にはない特長があります。
- 大幅な省電力化を実現(従来真空管の2%以下)
- リアル真空管サウンド(3極管構造)
- 小型(従来の真空管に対し30%以下)
- 高信頼度、長寿命(日本製、連続期待寿命 30,000時間)
注目なのはやはり連続期待寿命 30,000時間ですよね。
1日4時間稼働した場合の寿命は・・・
なんと20年!
まさに長寿命です。
従来の真空管とNutubeのどちらが優れているというわけではなく、弾き心地や聴き心地などどちらが自分好みかということが大事になります。
メンテナンス
この寿命の長さから真空管の交換などのようなメンテナンスの必要が限りなくないということがわかります。
さらに長寿命であることで稼働も安定し、従来の真空管でよくある「もしかしたら真空管がヘタってきているかも・・・」などのような心配をする必要がなくなります!
ライブ前やレコーディング前に真空管を交換するメンテナンスや長期間の使用によるオーバーホールなどを行う必要もなくなります。
真空管のヘタりを気にせずに長期的に使用することができるというのは、確信を持った音作りや演奏を行うことができます。
「メンテナンスの必要が限りなくない」という部分でソリッドステートに似ていますよね。
ギターアンプの真空管とソリッドステートの違いについては下記記事も参考にしてください。
Nutubeが搭載されているエフェクター
NTS NU TUBESCREAMER
NTS NU TUBESCREAMERは、Ibanez Tube ScreamerとKORG Nutubeがコラボレーションしたチューブスクリーマーです。
オーバードライブ・サウンドをNutubeで作っているため、自然な歪み(オーバードライブサウンド)を発生させることができます。
VOX / VALVENERGY CUTTING EDGE
CUTTING EDGEは、VALVENERGYシリーズの中でもっとも歪むハイゲインサウンドが得ることができるエフェクターです。
Nutubeを搭載しているため、Nutubeらしい真空管のサウンドとレスポンスを得ることができます。
VOX / VALVENERGY COPPERHEAD DRIVE
COPPERHEAD DRIVEは、80年代以降のハード・ロックのジャンルで多く使用されたパワフルなスタック・アンプのサウンドが得ることができるエフェクターです。
Marshall系のような明るめのサウンドが特長です。
VOX / VALVENERGY SILK DRIVE
SILK DRIVEは、ブティック・アンプのようなサウンドが得ることができるエフェクターです。
クリーンからブルージーなオーバードライブまでをカバーしています。
フェンダー系のような硬いサウンドが特長です。
VALVENERGYシリーズの中でも特に真空管アンプらしいコンプレッションを得られるます。
VOX / VALVENERGY MYSTIC EDGE
MYSTIC EDGEは、VOX AC30のサウンドが得ることができるエフェクターです。
VOX AC30のサウンドを再現しています。
この再現の精度が「擬似的な再現(シミュレーター)ではない」というVALVENERGYシリーズの中でも最大の特長を持っています。
ギター本体のボリュームの追従性もよく、手元で表現することができます。
まとめ
「新しい真空管」と聞くと「従来の真空管」と比較し、「どちらが優れいるか」や「らしさはあるか」などで比べがちです。
ですが、我々にとって一番大切なことは出音ですよね!
- 自分の好きな出音か
- アンサンブルに馴染むか・目立てるか
など、弾き心地や聴き心地も大切にしつつ「自分が表現したいことができるか」を基準に選ぶことをおすすめします。
表現したいことを表現できるようにギターライフを楽しみましょう!
お悩み相談コーナーと題し、いただいたギターに関するご質問に回答するコーナーがあります。
小さな悩み、大きな悩みなどに関わらず、気楽にご質問ください。
あたなのご質問で誰かの悩みも解消されるかもしれません!
ご質問お待ちしてます!