いきなりですが
DTMで制作途中は気に入った音だったけど、書き出して聴いてみたら低音が少ないうすーい音だった・・・
という経験はないでしょうか。
このようになってしまうのは、書き出し方法が適切ではないという可能性もありますが、一番の原因として「聴いている音」と「DAWから再生されている音」が違っているということがあります。
この差を少なくするには、DAWから再生されている音をそのまま聴く必要がありますよね。
今回は、正確なモニタリングを行えるように不要な音質の変化を減らすことのできるインシュレーターを紹介します!
インシュレーターとは
インシュレーターとは、スピーカーの振動を制御する機材です。
スピーカーをスピーカースタンドにただ置いて音を鳴らすと、スピーカーの振動がスピーカースタンドに伝わり、振動して鳴ってしまうことがあります。
「ヴーッヴーッ」という感じで鳴ります。
スピーカーの接地面から伝わる振動は、意図しない音を増幅させてしまったりする場合があるため、正確なモニタリングができなくなってしまいます。
図1 インシュレーターの効果
一番増幅しやすい音は、やはり低音です。
低音が増幅すると音が広がり、ぼやけるということがよくあります。
そのため、
DTMで制作途中は気に入った音だったけど、書き出して聴いてみたら低音が少ないうすーい音だった・・・
ということになってしまいます。
インシュレーターでこのようないらない振動を最小限に抑える事で、スピーカー本来の音でモニタリングすることができます。
インシュレーターは必ず必要ではありません
インシュレーターの種類、部屋の構造、スピーカーのセッティングなどの関係性により、特定の音域が強調され過ぎたり、減衰され過ぎたりということが起こる場合があります。
このような場合、インシュレーターを使うことでスピーカー本来の音でモニタリングができなくなってしまいます。
今の状態でモニタリングや書き出し後の音質に不満がない場合は、インシュレーターを導入する必要はありません。
設置方法
インシュレーターは、スピーカーとスピーカースタンドの設置面の間にただ置くだけで効果を感じることができます。
使うために設定などを行う必要はありません!
かなり楽ですよね。笑
図2 インシュレーターの設置方法
インシュレーターの数には、4個または3個の2種類があります。
個数ごとの設置方法の違いは
- 4個の場合は、スピーカーの4隅にインシュレーターを設置
- 3個の場合は、スピーカーを3点のインシュレーターで支える形で設置
などがあります。
スピーカーを3点で支えるインシュレーターは、3点の三角形をどの向きで設置するかによっても音質が変化します。
個数による設置方法の違いは場所ごとに違って当たり前ですので、今回は定番の設置方法を紹介します!
図3 インシュレーターの個数ごとの設置方法
素材
インシュレーターの素材には4つほど種類があり、素材によって音質が変化します。
代表的なインシュレーターの素材は、
- 金属製
- 木製
- ゴム製(樹脂)
- 複数の混合
などがあります。
素材ごとの音質の違いはシンプルで、素材そのものも特徴がそのまま音に影響します。
表1 素材の違いによる音質の違い
金属製 | はっきりとした明るい音 |
---|---|
木製 | 温かみがあり奥行きのある音 |
ゴム製(樹脂) | 柔らかい音 |
複数の混合 | それぞれの素材の特徴を活かしたバランスのいい音 |
とてもシンプルですよね!
形
インシュレーターの形には3つほど種類があり、形によってスピーカースタンドへの影響が変化します。
- 丸型
- 四角型
- スパイク型
などがあります。
設置面が小さいほど、スピーカーを置いているスピーカースタンドへの影響が少なくなります。
スパイク型は先が尖っていてるため、丸型や四角型よりもスピーカースタンドへの影響を最小限に抑えることができます。
影響が少ない方がいいということではありません。
スピーカースタンドへの影響が少ないからといって、自分好みの音になるわけではありません。
DAW、スピーカーやケーブルなど、現在使用している機器から出る音の傾向を把握し、その上で自分好みになる音の方向性を明確にして選ぶことが大切です。
選ぶ上での試行錯誤する手段としてスピーカースタンドへの影響という目安があるというように考えましょう!
おすすめ
audio-technica / AT6098
AT6098は、定番でありながら価格も導入しやすく高品質のため長く使用することができます。
8個で1セットのため、1つのスピーカーを4つのインシュレーターで支えます。
ゴム素材を真鍮を挟み込む3層構造になっています。
audio-technica / AT6099
AT6099も、定番でありながら価格も導入しやすく高品質のため長く使用することができます。
AT6098とは、1セットの個数と構造が異なります。
6個で1セットのため、1つのスピーカーを3つのインシュレーターで支えます。
AT6098は、ゴム素材を真鍮を挟み込む3層構造でしたが、このAT6099はゴム素材のハネナイト+真鍮+ハネナイト+ソルボセイン(ポリウレタンの1種)で挟み込む4層構造になっています。
AURALEX / MoPAD
出典:AURALEX
MoPADは、先程紹介したaudio technicaのAT6098やAT6099とは違い、インシュレーター効果+角度調整ができるタイプです。
角度は、「-8°, -4°, 0° (flat), +4° and +8°」の5段階で調整ができ、自分の耳の位置に合わせた好みの角度にスピーカーを調整することができます。
素材は発泡ウレタンで角度調節用のパッドが含まれていますので、パッドの変更のみで角度調整を行うことができます。
まとめ
インシュレーターは、スピーカー本来の音でモニタリングするために、音を最適化することができる機材です。
今の状態でモニタリングや書き出し後の音質に不満があっても、すぐにスピーカーの買い替えや、吸音材の導入などは難しいですよね。
そのような時、インシュレーターをまだ導入していない方は、まずはインシュレーターを導入してみることをおすすめします!
インシュレーターを導入すると
- 今の音質の何が自分好みではないか
- インシュレーター導入後、どの帯域の音がどうなることが自分好みか
などを明確にすることができ、次の環境やスピーカーを検討する際の判断材料にすることができます。
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