ギターネックは基本的に木材で作られています。
木材は湿度や温度の変化に非常に弱く、ネックが反ってしまいます。
「ネックが反る」と良く聞きますがいまいち分からない方も多いでしょう。
自分で調整していいのかも分かりませんよね。
ネックが反ると音が詰まってビビってしまったり、弦高が高くなり弾きにくくなったりと、多くの不具合が現れてきます。
「ネックの反りを自分で調整するとネックが折れそうで怖い…」という人が多いですが、そんなことはありません!
ネックの調整方法は意外と難しくありません。
しっかりと調整方法を理解しながら行えば大切な楽器を傷つけることもありませんので、自分で調整できるようにしましょう!
そもそもネックの反りとは
ネックの反りには2種類あります。
横から見て上に反ることを「順反り」といいます。
図1 順反り
弦の張力に従って反っているのでこれが普通の反り方ですね。
なので順反りといいます。
これに対して、横から見て下に反ることを「逆反り」といいます。
図2 逆反り
弦の張力に逆らっているので「逆」反りですね。
弦の張力は6本合わせて40kgほどあります。
それに逆らって逆反りする木材の力とは恐ろしいですね…!
まず自分のギターがどちらに反っているのかを確認しましょう。
ネックの反りの確認
ネックの反り調整をするには、まずネックが反っているのかを確認しましょう。
ネックの反り確認方法でよく見る方法が、「ブリッジ側やヘッド側から見て目視で確認する」という方法です。
図3 反りの見方
しかしこの方法…
見よう見まねでやってみても全然分かりません!!!
なのでもっと簡単にネックの反りを見分ける方法をお教えしましょう!
- 左手でネックの1Fを押さえます。
- 右手の肘で最終フレット辺りを押さえます。
- 右手でそのちょうど中間(およそ8F〜12F辺り)の、弦とフレットの隙間の量を確認します。
図4 ネックの反り確認方法
この隙間の量でネックの反り具合を判断することができます。
ネックの反り具合は以下のように判断しましょう。
表1 隙間の量とネックの鳥具合
隙間が 全くない |
逆反り |
---|---|
隙間が 約0.5mm |
適正 |
隙間が 0.5mm以上 |
順反り |
ネックは「若干の順反り状態」が良いとされています。
この隙間がおよそ0.5mmほどだとこの理想の状態になります。
図5 ネックの隙間の見方
慣れるまでは0.5mmがどれくらいか判断するのが難しいので、「本当に少しだけ隙間が空いている」くらいで調整していきましょう。
反りの調整方法
それでは実際に調整する方法を説明していきましょう。
ネックの反りは、ネックに埋め込まれているトラスロッドという金属棒を回すことにより調整することができます。
トラスロッドは通常ヘッド側から回すことができます。
※一部ギターはネックとボディの結合部分にある場合があります。
図6 トラスロッドとは
これを六角レンチなどで調整しますが、どちらに反っているかによって回す方向が異なります。
表2 ネックの反り方によるトラスロッドを回す方向の違い
順反り | 時計回りにまわす |
---|---|
逆反り | 反時計回りにまわす |
図7 トラスロッドを回す方向
調整する手順は、このようになります。
- 最初は回しすぎないように、時計でいう15分くらい回します。
- 回したら再度先ほどと同じようにネックの反りの確認をします。
- ネックの反りが適正になるまで続けます。
ネックは動き続ける
ネックはトラスロッドを回した後も動くことが多く、次の日まで結構動きます。
なので回してる時に「もうちょっとかな?」と思ってもそこでやめ、次の日またチェックするようにしましょう。
次の日にはちょうど良くなってたりします。
目安としては45分以上は1日で回さないようにしましょう。
調整を行う六角レンチには、トラスロッドに合わせて色々な種類があります。
六角レンチを購入する場合は、ご自身のギターにどのようなトラスロッドが使われているか確認してから購入するようにしましょう。
まとめ
最初は自分で調整するのが恐い気持ちは分かりますが、ちょっとトラスロッドを回しただけで壊れるということはありません!
ネックの反り調整だけで楽器屋に持っていくのはリペア代がもったいないですよね。
是非自分で調整できるようになりましょう。
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