コンパクトエフェクターとは対局にあるマルチエフェクター。
マルチエフェクターは初心者用とよく言われますが、現在(2020年時点)のマルチエフェクターは本当に初心者用なのでしょうか。
今回は、1台で何役もこなすマルチエフェクターの魅力を紹介します!
コンパクトエフェクターの魅力については下記記事も参考にしてください。
マルチエフェクターとは
出典:BOSS
「マルチエフェクター」という呼び方は、実は和製英語で、英語圏ではeffects unit、effects unit pedalやStompboxと言います。
マルチエフェクターとは、1台に様々な種類のエフェクトが入っているエフェクターです。
エフェクトには、
- 歪み系
- 空間系
- モジュレーション系
- フィルター系
- ダイナミクス系
- ハーモニー系
など、エフェクターとして販売されているほぼすべてのエフェクトが含まれていて、音作りしたエフェクトの設定を保存し、呼び出すことができます。
ペダルが付属しているマルチエフェクターは、ワウペダルやボリュームペダルの機能があるものもあります。
マルチエフェクターの多くには、BANK(バンク)と呼ばれる「括り」のようなものがあり、そのBANK(バンク)のフットスイッチに対して音色を保存を行います。
BANK(バンク)
出典:BOSS
BANK(バンク)などの呼び名や保存できる音色数は、製品により異なります。
例えば、
- 総BANK数が5つ
- BANK1つにつき音色を5つ保存できる
のような場合、保存できる音色の総数は25個となります。
音色の切り替えは、BANK(バンク)やフットスイッチの切り替えを行うことで、保存しておいた音色を呼び出すことができます。
出典:BOSS
1つの音色に複数のエフェクトを設定することが可能で、複数のエフェクトを同時にONにするというようなことも簡単に行うことができます。
例えば、「歪みからクリーンに音色を変更する」するというような時に、歪みから「コーラス・フランジャー・ディレイ」の3つのエフェクトがかかっているクリーンに切り替えることができます。
これを1台で行えてしまうのがマルチエフェクターの最大の特徴です。
プログラマブル・スイッチャー
コンパクトエフェクターで複数のエフェクトを同時にONにする場合は、プログラマブル・スイッチャーを使用することで行うことができます。
音作り
出典:BOSS
コンパクトエフェクターであれば、1つ1つ購入しなければ試すことができないエフェクトも、マルチエフェクターでは、1台で様々な種類のエフェクトに触れることができます。
エフェクトのかかり方や、エフェクトをかける順番など、基本と言われているような設定から、自分なりの設定まで幅広く試すことができます。
この「試す→聴く→また試す」の繰り返しがとてつもなく勉強になります!
1つ1つのエフェクトを実際に使ってみる事によって、どんなエフェクターがどんな音なのかを知ることができるため、自分なりの音作りへの基礎を身につけることができます!
マルチエフェクターは、初心者のギタリストにとっても、中級者・上級者のギタリストにとってもエフェクトを奥深く知ることのできる機材です。
機材トラブルに強い
マルチエフェクターは、コンパクトエフェクターと比べると機材トラブルが起きにくい機材です!
起きにくくいだけであり、マルチエフェクターも機材です。
機材トラブルが発生してもいいように、しっかりと備えておきましょう!
コンパクトエフェクターは、エフェクター1つ1つに電源があり、使用するためにパッチケーブルでつなぐ必要があり、常にコード類の断線が発生する可能性があります。
そのため、コンパクトエフェクターを使用するギタリストは、トラブルへの対応、予備の機材を常に用意し考慮しておく必要があります。
一方、マルチエフェクターは電源は1つ、パッチケーブルなしで使用することができます!
- ライブ中に突然音が出なくなった・・・
- レコーディング中に突然音が出なくなった・・・
これももうトラウマになります。笑
緊張と焦りで頭真っ白になるので、そんな中で音がでなくなった原因を探すのは、なかなか難しいですよね。笑
マルチエフェクター+外部エフェクト
マルチエフェクターのセンド・リターンや外部エフェクトを使用する場合は、コンパクトエフェクター同様にトラブルを想定しておく必要があります。
しっかりと備えておきましょう!
マルチエフェクターとモデリングアンプの違い
モデリングアンプはアンプシミュレーターとも言われます。
アンプシミュレータのおすすめについては下記記事も参考にしてください。
現在(2020年時点)では、マルチエフェクターとモデリングアンプの違いはほぼないと考えていいでしょう。
以前は、間違いなく違いはありましたよね。
大きな違いとして「シミュレート機能があるか・ないか」などがあり、モデリングアンプはレコーディングで使用できる高品質なものと考えられていました。
ですが、現在マルチエフェクターとして販売されているものを見てみるとどうでしょう。
BOSSのGT-1000など、しっかりシミュレート機能あるものが多いですよね!
このようなマルチエフェクターは、Fractal Audio SystemsのAxe-Fx IIIやLINE6のHelixなどのモデリングアンプと同等と考えてもいいでしょう!
一方、BOSSのGT-1などのシミュレート機能がないマルチエフェクターは、純粋なマルチエフェクターと考えていいでしょう。
よく
マルチエフェクターはコンパクトエフェクターと比べると音が悪い・・・
と耳にしますが、マルチエフェクターとコンパクトエフェクターのどちらの方が優れているというわけではなく、エフェクトをOn/Offにしたときに、どちらがより自分好みかということが大事になります!
おすすめ
BOSS / GT-1000
出典:BOSS
11種類のアンプモデル、116種類のエフェクト、8インチ×1発~12インチ×8発までのキャビネットが収録されています。
シミュレート部分には、AIRD(Augmented Impulse Response Dynamics)と呼ばれるBOSS独自の技術によって、アンプ全体の相互作用によって生まれる複雑な動作をシミュレートしています。
PCに接続してオーディオインターフェイスとして使用する事も出来き、BluetoothでiOS/Androidに対応したBOSS Tone Studio(エディター)からワイヤレスで音色を編集/管理することができます。
IRの取り込みにも対応しています。
IRとは
IRとはImpulse Response(インパルスレスポンス)の略で、簡単にいうとキャビネットシミュレーションのことです。
キャビネットに音声信号が入力された際にどのような音を出すのか、どのような反応をするのかをキャプチャーしたデータのことを言います。
これによりそのキャビネットの特性を再現することができます。
LINE6 / HELIX FLOOR
出典:LINE6
72種類のアンプモデル、194種類のエフェクト、37種類のキャビネット、16種類のマイクが収録されています。
スナップショットというHELIX独自機能により、プリセット間の移動の際に生じる音切れやディレイ/リバーブの残響音の途切れを起こさずに音色を変更することができます。
PCに接続してオーディオインターフェイスとして使用する事も出来き、IRの取り込みにも対応しています。
HEADRUSH / PEDALBOARD
出典:HEADRUSH
33種類のアンプモデル、42種類のエフェクト、15種類のキャビネット、10種類のマイクが収録されています。
タッチディスプレイで、タッチ、スワイプ、ドラッグ&ドロップによる各種設定を行うことできます。
ペダルの上部を長押しすることで、ワウペダルとヴォリュームペダルなどの2種類のペダルを設定することができます。
PCに接続してオーディオインターフェイスとして使用する事も出来きます。
まとめ
マルチエフェクターは、ギターを弾く上で必要なエフェクトを効果的に勉強でき、さらにライブ、レコーディングと使用できるとても実践的な機材ですよね!
オーディオインターフェイスとしての機能があるマルチエフェクターは、マルチエフェクターとDAWがあれば、すぐにDTMが始められます!
オーディオインターフェイスについては下記記事も参考にしてください。
ただ単に「マルチエフェクター=エフェクターの集まり」ではなく、もう1歩踏み込んでエフェクトをかける順番や、普段使わないエフェクトのかかり方など、より多くのエフェクトを知ることで、自分好みの出音を見つける近道になります。
楽器店に行って色々な種類のマルチエフェクターを試奏して自分好みのマルチエフェクターに出会いましょう!
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