ギタリストを常に悩ませる問題。
「ピックって何がいいの?!」
新しいピックを買ってきて試しみては、さらに新たなピックを求める・・・そんなことを繰り返しているギタリストも多いのではないでしょうか?
そんなお悩み解決の一助となるべく、大きさ、厚さ、素材の異なる8つのピックを実際に弾いた音源を交えつつレビューをしていきたいと思います。
しっかり聴くとサウンドに大きな違いがあるので是非聴き比べてみてください!
なおピックの素材、形状の紹介記事を別に書いていますのでそちらもご参考ください。
ピックの種類
今回レビューするピックはこちら!
JIM DUNLOP
- Tortex T3
- 0.73mm
- 1.0mm
- 1.5mm
- ULTEX JAZZ III XL
- AALP03 Tosin Abasi Tortex Jazz III XL
- John Petrucci Jazz III
PICKBOY
- Terry Gould TP-TG/RE
- TP-PEI/L
録音環境
アンプシミュレーター
Fractal Audio Systems Axe-fx II
DAW
Logic Pro
オーディオインターフェイス
Apogee Duet2
音源の種類
実際に弾いてみた音源はクリーンサウンドを一つ、オーバードライブサウンドを1つの計2つを用意しました。
クリーンサウンド
センターピックアップ(シングルコイル)を使用し、アルペジオフレーズ弾いています。
オーバードライブサウンド
リアピックアップ(ハムバッキング)を使用し、バッキングとリードで1つの構成として弾いてます。
ティアドロップ型
JIM DUNLOP / Tortex T3
0.73mm、1.0mm、1.5mm
出典:サウンドハウス
通常のTortexと素材は同じですが先端がより尖っています。
Tortex(トーテックス)とは
アメリカのデュポン社が開発したデルリン素材にダンロップが独自の加工を加え開発されたものです。
出典:Jim Dunlop
触感は少しザラっとしており滑りにくくなっている特徴があります。
厚さも0.50mm、0.60mm、0.73mm、0.88mm、1.0mm、1.14mm、1.35mm、1.5mmと豊富なラインナップが揃ってます。
その中でも今回は0.73mm、1.0mm、1.5mmの3つを試してみました。
0.73mm
出典:サウンドハウス
クリーンサウンド
オーバードライブサウンド
Tortex素材全体に言えることですが、中音域がよく出ています。
0.73mmは、今回試した1.0mm、1.5mmなどの厚いものよりも高音、アタックが強く出てる印象を受けました。
1.0mm
出典:サウンドハウス
クリーンサウンド
オーバードライブサウンド
0.73mmよりも高音が減り、より中低音域が出ている印象を受けました。
今回の3種類の中では一番サウンドバランスは取れているでしょう。
1.5mm
出典:サウンドハウス
クリーンサウンド
オーバードライブサウンド
このくらいの厚さになると全くピック自体はしならなくなります。
薄いピックのように自然にアタックは出なくなるので、アタックもほしい!という時はピッキングを工夫しアタックを出してあげるという事が必要になります。
特にTortex素材だとどうしても高音が出ない平坦な音になりがちなので注意する必要があります。
高音もほしい!という時はEQで調整するのが無難なところなのですが、みなさんギタリストです。
やはりピッキングで高音を出すことをおすすめします。
JAZZ型
JIM DUNLOP / ULTEX JAZZ III XL
出典:サウンドハウス
クリーンサウンド
オーバードライブサウンド
大人気モデルJAZZ IIIを一回り大きくしたXLシリーズ。
その中から、人間の爪にかなり近い素材と言われているウルテム製をチョイスしました。
厚さは1.2mmほどですがウルテムの特徴として実際の厚さよりもかなり硬く感じます。
Ultexは弦離れが良く、アタックもしっかりあり、かつ低音が出るのでかなりサウンドバランスの良い印象を受けました。
「JAZZ IIIでは小さいけどこの形が好き!」という方にオススメのピックです。
サムピック型
PICKBOY / Terry Gould TP-TG/RE
出典:サウンドハウス
クリーンサウンド
オーバードライブサウンド
厚さは1.0mmでセルロイド製のサムピック。
写真で見るよりも先端がかなり尖っています。
このような実際に実物を見ないとわからない部分になってしまいます。
クセが少なくセルロイドらしいナチュラルなサウンドで、高音が綺麗になってくれた印象を受けました。
PICKBOY / TP-PEI/L
出典:サウンドハウス
クリーンサウンド
オーバードライブサウンド
ポリエテールイミド(Poly Ether Imide略してPEI)素材で、べっ甲に近い触感とサウンドです。
上記のTerry Gouldと比べるとかなり大きいです。
弦離れも良く、ピック部分が大きいのでその分低音も出てくれる印象を受けました。
親指のサイズにもよりますが、かなり指にフィットしてくれました。
アーティストモデル型
JIM DUNLOP / AALP03 Tosin Abasi Tortex Jazz III XL
出典:サウンドハウス
クリーンサウンド
オーバードライブサウンド
Animals As Leadersのギタリスト、Tosin Abasiのシグネイチャーピック。
通常のTortexよりもツルツルしています。
大きさはJAZZ III XLと同じですが、厚さは0.6mmで「こんな薄いのであんなテクニカルなことやってるの?!」といった印象です。
薄いのでピック自体がかなりしなり、アタックが強くなります。
低音はあまり出ない印象ですが、Djentのギターってそれほと低音は出ておらずアタックが強いのが特徴なので、Animals As Leadersのジャンルを考えると納得のピックなのかもしれません。
ただしこの厚さでテクニカルなことを演奏するには、ピッキングにかなりのテクニックが必要な印象を受けました。
JIM DUNLOP / John Petrucci Jazz III
出典:サウンドハウス
クリーンサウンド
オーバードライブサウンド
素材はウルテムなので、上記のULTEX JAZZ III XLに結構近いサウンド特性を持っています。
しかしこちらの方がツルツルしている感触で、John Petrucciのロゴである「JP」が刻印されており滑り止めのような働きをしてくれます。
またピックの減りも遅いのも良いですね。
サイズとしてはJAZZ III XLより一回り小さい位です。
まとめ
サウンドの違い感じていただけましたでしょうか!
総じてAALP03 Tosin Abasi Tortex Jazz III XLやTortex T3 0.73mmなど薄めのピックはHighがでて、John Petrucci Jazz IIIやTortex T3 1.5mmなどの厚めのピックはMiddleが出る印象を受けました。
厚さや形状でピックを選んでいる方は多いと思いますが、素材でもかなりサウンドに違いが出てきます。
今回はサウンドにフォーカスしましたが、弾き心地や減りの早さなども重要なファクターです。
今回テスト用に演奏しましたが、ピックによっては個人的に弾きづらいものもありましたし、それは弾くジャンルや手の大きさによって異なるでしょう。
ピック自体消耗品ですし高価なものでもないので、この記事を参考にしつつ自分に合ったピックを探してみましょう!
本
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ピックの全体像を把握するとこができるので、おすすめです!
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